土地購入で見落としがちな追加費用とは?土地代以外にかかるお金を解説

2026年8月17日

土地購入で見落としがちな追加費用とは?土地代以外にかかるお金を解説

目次

「条件にぴったりの土地が見つかったけれど、土地代だけで予算上限ギリギリになりそう……」とお悩みではありませんか?

理想の立地に出会えたうれしさの反面、資金計画への不安が膨らむお気持ちはとてもよくわかります。

実は、土地を購入する際には土地代金(本体価格)だけでなく、全体の約5〜10%の諸費用や、条件次第で数十万〜数百万円にのぼる工事費が発生します。

本記事では、土地購入時・建築前・購入後に発生する全費用について解説します。事前に確認すべき追加費用のポイントや、予算オーバーを防ぐリストについても解説します。全体の費用感を正しく把握し、後悔のない家づくりを進めていきましょう。

土地購入は土地代だけでは終わらない

土地の購入手続きを進める際、提示されている物件価格だけを見込んでいると、後から予想外の出費に直面することになりかねません。購入後の生活や建物への資金配分を守るためには、費用の分類と土地の特性による金額差を把握しておく必要があります。

購入時、建築前、購入後に費用が分かれる

土地購入にまつわるお金は、手配や支払いを行うタイミングによって大きく3つの段階に分類されます。

・①購入時(契約・引き渡し時):仲介手数料や各種税金、住宅ローン関係の手数料などがかかります。これらは現金での手配を求められるケースも多いため注意が必要です

・②建築前(着工前):地盤改良やインフラの引き込みなど、土地に安全な家を建てるための整備費用が生じます

・③購入後(所有・入居後):不動産を取得・保有したことに対する税金の納付や日割り精算などが発生します

これらの時期ごとの支払いを考慮せずに、土地代だけで資金計画を組むと、本来こだわりたかった建物本体の予算を削らざるを得なくなる可能性が出てきます。

安い土地ほど追加費用が出ることもある

相場に比べて割安に見える土地には、何らかの理由が潜んでいる場合がほとんどです。価格だけに魅了されて購入を決めると、トータルのコスト(総額)が膨らむおそれがあります。

たとえば、敷地と前面道路に大きな高低差がある土地、敷地内に水道管が引き込まれていない土地、地盤が著しく軟弱な土地などです。また、一見すると周囲より200万円ほど安く買えるように見えても、土留めの擁壁(ようへき)工事や水道の引き込み工事で300万円以上の支出になれば、結果的に予算を大幅にオーバーしてしまいます。

土地選びでは表面上の販売価格だけに惑わされず、「土地代 + 諸費用 + 造成・整備費」を合算したトータルのコストで比較検討する視点を持ちましょう。

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購入時にかかる主な費用

土地の売買契約から引き渡しまでに発生する諸費用は、契約手続きや資金調達に直接かかわるものです。法律で定められた手数料や税金が中心となるため、事前に具体的な算出方法を知っておきましょう。

仲介手数料

不動産会社の媒介(仲介)で土地を購入した場合、その取引の成功報酬として支払う費用です。宅地建物取引業法によって受領できる上限額が定められています。

土地の取引価格が400万円を超える場合の上限額は「(土地価格 × 3% + 6万円)+ 消費税」という計算式で求められます。たとえば、2,000万円の土地を購入するケースでは、約72.6万円(税込)が上限金額の目安です。

支払うタイミングについては、売買契約時に半額を支払い、最終的な引き渡し時に残りの半額を支払う流れが一般的です。

印紙税

土地の売買契約書を作成する際に、書類に収入印紙を貼り付けて納付する国税です。契約書に記載される土地の取引金額によって税額が細かく定められています。

不動産の譲渡に関する契約書では軽減措置が適用されることが多く、令和9年3月31日までに作成される契約書では、記載金額が1,000万円超〜5,000万円以下の場合、軽減後の税額は1万円(本則は2万円)です。契約書の通数分だけ印紙が必要となるため、売主用・買主用として各自で負担するのが通例です。

登録免許税

取得した土地の所有権を自分へ移転する登記(所有権移転登記)を行う際に、国へ納める税金です。名義を正式に変更し、自分の所有権を第三者に主張するために欠かせない手続きです。

土地を売買で取得した場合の税額の計算式は「固定資産税評価額 × 税率」です。土地の売買による所有権移転登記は、軽減措置により令和11年3月31日まで1.5%が適用されています。注意したいのは、計算の基準となる金額が、実際の売買価格ではなく、自治体が定める固定資産税評価額である点です。

評価額は売買金額より低く設定されていることが多いため、事前に確認しておくと正確な予算が立てられます。

司法書士報酬

所有権移転登記や、住宅ローン利用時に設定する抵当権設定登記などの法的な手続きを、専門家である司法書士に依頼するための報酬です。

費用相場はおよそ5万〜15万円程度ですが、物件の権利関係の複雑さや依頼する地域、登記件数によって金額は前後します。

登記手続き自体は自分で行うことも制度上は可能ですが、住宅ローンを組む場合は金融機関からの条件として司法書士への委任が必須となるのが通常です。

住宅ローン関連費用

土地の購入で住宅ローン(または着工金などに充てるつなぎ融資)を利用する場合、金融機関や保証会社に対してさまざまな諸費用がかかります。

主な内訳は、金融機関に支払う融資事務手数料(定額制で3万〜5万円程度、または定率制で融資額の2.2%程度)や、返済滞納時に備える保証料(一括払いで融資額の2%前後、または金利に+0.2%程度の上乗せ)が挙げられます。

このほか、金銭消費貸借契約書に貼る印紙代や火災保険料なども資金計画に含めておかなければなりません。

購入後にかかる税金

土地を手に入れた後や入居した後に、時期がずれて発生する税金や精算金があります。忘れた頃に届く請求書に慌てないように、課税の仕組みや特例を理解しておきましょう。

不動産取得税

土地や建物などの不動産を新しく取得した人に対して、該当する都道府県が一度だけ課税する地方税です。取得した翌月すぐに請求されるわけではなく、購入後6ヶ月から1年ほど経った頃に納付書が届きます。

基本の計算式は「取得した不動産の価格(課税標準額)× 税率」です。令和9年3月31日までに宅地等を取得した場合は課税標準額が価格の1/2となり、土地の税率は3%です。住宅を建てるための土地(住宅用土地)であれば、適切な申告手続きを行うことで大幅な軽減措置(減額特例)が受けられます。要件を満たしていれば実質ゼロ円になるケースも多いですが、一時的な用意や申告手続きが発生することは覚えておきましょう。

固定資産税・都市計画税の精算

土地の所有者に対して毎年課税される固定資産税・都市計画税ですが、所有権が移転する年に関しては、引き渡し日を基準に売主と買主で日割り精算を行います。

公的な起算日は東日本で1月1日、西日本で4月1日とされることが多く、起算日から引き渡し日の前日分までを売主、引き渡し日以降の分を買主が負担します。

この精算金は税金そのものを国や自治体に納めるのではなく、売買決済時に代金の一部として売主に直接支払う形をとります。

将来の固定資産税

土地を所有し続ける限り、毎年納め続ける固定資産税・都市計画税のランニングコストに注意しましょう。

住宅が建っている土地(小規模住宅用地:200㎡以下)に対しては、課税標準額が1/6に軽減される特例措置があります。しかし、住宅が完成していない更地の状態ではこの軽減特例は適用されません。また、引き渡しを受けてから建物の着工・完成までに長い期間が空いてしまうと、更地の状態が続いて住宅用地特例が使えず、固定資産税の負担が重くなる可能性があります。土地購入のスケジュールにも配慮が必要です。

建築前にかかる可能性がある費用

土地の購入完了後、実際に建物の工事へ着工する前の段階で発生する建築前費用は、物件ごとの個別要素が強く、金額の振れ幅が大きいです。

測量費・境界確定費

隣接する土地との境界線が明確になっていない場合、正確な敷地面積や境界位置を確定させるために測量や手続きを行う費用が発生します。

一般的には売主側の負担で確定測量付きとして売り出されるケースが多いものの、公簿売買(公図や登記簿の面積を基準とする取引)などの条件によっては買主が費用を負担することもあります。

専門家への依頼費用相場は30万〜80万円程度ですが、隣接する土地が民有地か官有地(道路や用水路など)かによって作業工程や費用が変わります。

造成費・擁壁工事

敷地内に高低差がある場合や斜面が含まれている場合、家を建てるために土地を平坦に整える造成工事や、土砂崩れを防ぐための土留め(擁壁)工事が必要です。

高低差の度合いや既存擁壁の老朽化によるやり直し工事では、工事費が100万〜500万円以上と、高額に達することもあります。土地検討時において最も予算を圧迫しやすい点に注意です。

上下水道・ガスの引き込み

前面道路を通る水道本管やガス管が、敷地内に引き込まれていない土地は、新たに引き込み工事を行わなければ生活インフラが利用できません。

自治体へ納める水道加入金として10万〜30万円程度、さらに道路を掘削して敷地へ管を引き込む工事費として50万〜100万円程度が必要です。

引き込み距離が長い場合や、前面道路の交通量が多く誘導員の配置・舗装復旧工事が必要な場合は、さらに費用が増額されます。

地盤調査・地盤改良費

建設予定の建物重量に耐えられる地盤強度があるかを調べる地盤調査の実施費用は、およそ5万〜10万円がかかります。調査の結果、地盤が軟弱であると判定された場合には、安全に建物を支えるための地盤改良工事を施工しなければなりません。

工事手法(表層改良、柱状改良、鋼管杭工法など)や補強を行う深さによって価格は変動しますが、およそ50万〜200万円程度の追加出費を想定しておきましょう。

古家の解体費・残置物処分費

敷地内に古い家屋が残っている古家付き土地として購入した場合、建物を解体して更地に戻す費用が発生します。

構造によって費用は異なり、鉄骨造やRC(鉄筋コンクリート)造では解体する難易度が上がり、高額になります。また、建物本体の解体だけでなく、庭木・庭石の撤去、ブロック塀の壊し代、旧所有者の室内残置物の処分費が別途見積もりとなるケースもあるため事前の確認が大切です。

予算オーバーを防ぐ確認リスト

土地の購入後に「こんな費用がかかるなんて知らなかった」と後悔しないためには、検討段階からの確認と準備を徹底しましょう。ここで紹介する予算オーバーを未然に防ぐためのリストを活用してください。

土地価格+諸費用+建築前費用で見る

土地を探し始めるときや資金計画を立てる初期段階から、土地の本体価格だけを基準にして物件を選ぶのは避けましょう。

全体の資金計画から必要な予算を逆算する考え方が大切です。具体的には「総予算 - (建物本体費 + 建築前費用 + 土地諸費用)= 買える土地本体の金額」という計算式をベースにして、検討可能な土地の条件を割り出します。あらかじめ諸費用や付帯工事費の枠をしっかり確保しておくことで、資金調達の破綻を防ぎます。

売買契約前に見積もりを取る

契約後に想定外の工事費が発覚するリスクを避けるために、事前の現場確認と見積もりの提示を受けましょう。

気に入った土地が見つかったら、売買契約を締結する前に、家づくりを依頼する予定のハウスメーカーや工務店の担当者に現地を見てもらいましょう。プロの視点で現地をチェックしてもらうことで、「水道の引き込み工事が必要か」「地盤改良が発生しそうな土地か」「造成費用にどれくらいかかりそうか」といった概算費用を契約前に確認できます。

不明な費用は「誰が負担するか」まで確認する

物件概要書や重要事項説明書、販売図面の内容を細部まで精査し、あいまいな点があれば契約前に必ず質問をしてクリアにします。

たとえば、「境界確定の実施費用は売主・買主のどちらが負担するのか」「インフラの水道加入金は販売価格に含まれているのか」など、費用ごとの負担区分を口頭ではなく契約書類上の文章として明記してもらいます。

条件をうやむやにしたまま契約を進めてしまうと、後々の費用トラブルにつながるため注意してください。

まとめ

土地購入においては、土地代だけでなく、仲介手数料や税金などの諸費用、さらには地盤改良や水道引き込みといった建築前費用が必要です。

とくに相場より安い土地や、条件がある土地は、着工前の整備費用が高額になりやすく、予算オーバーを引き起こす可能性があります。表面上の金額だけで判断せず、契約前にトータルコストを見積もるようにしましょう。

納得のいく家づくりを実現するために、土地を契約する前には必ず工務店やハウスメーカーなどの専門家に現地を確認してもらい、全体の資金計画を立てたうえで購入手続きへ進みましょう。

トチシルとは

公式参照元

国土交通省 不動産取引に関するお知らせ:https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bf_000013.html

国税庁 No.7140 印紙税額の一覧表:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7140.htm

国税庁 No.7191 登録免許税の税額表:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7191.htm

国税庁 登録免許税の税率の軽減措置に関するお知らせ:https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sonota/0020003-124_01.pdf

東京都主税局 不動産取得税:https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/kazei/real_estate/fudosan