戸塚区のハザードマップ・地盤を解説|地震の揺れやすさ・盛土・崖の確認ポイント
2026年10月1日

目次
横浜市戸塚区で住まいを探す際、気になるのが地盤の強さや、地震のときの揺れやすさではないでしょうか。戸塚区の地盤や地震リスクは、区全体を「安全」「危険」と評価しないことがポイントです。たとえば、柏尾川沿いの低地と、丘陵上とでは、リスクや備えるべきことがあります異なるからです。
この記事では、ハザードマップや地形データをもとに、戸塚区の災害リスクの見方や、物件を購入する前にチェックすべきことについて解説します。
戸塚区の地盤リスク
戸塚区は主に二つの地形が見られ、区全体を「地盤が弱い」「災害リスクが低い」と見ることはできません。ここでは、戸塚区の地盤リスクの見方について解説します。
戸塚区は「低地」と「丘陵地」で地形が大きく異なる
戸塚区は、柏尾川沿いに広がる平坦な低地と、その周辺を囲む丘陵地・台地に地形が大きく分かれています。
柏尾川はJR横須賀線に沿うように流れており、駅周辺の利便性が高い一方で、水害リスクが比較的高いエリアです。一方、泉区の境にある鳥が丘や汲沢(ぐみざわ)周辺や、名瀬町・川上町・品濃町周辺には丘陵地・台地エリアが広がっています。
丘陵地・台地エリアは地盤自体は固い傾向にあります。しかし、坂道や谷戸(谷状の地形)が多く入り組んだり、造成によって形成されたりした土地もあり、それぞれのエリアで災害リスクを確認する必要があります。
柏尾川沿いの低地と丘陵住宅地では確認するリスクが違う
土地の特徴によって、住宅購入時に優先して確認したい項目を整理すると以下のようになります。
これはあくまで確認項目を整理するための表です。「低地だから危険」「丘陵地だから安全」と判断するものではなく、物件を検討する際は、これらのチェックポイントを重ね合わせて確認することが大切です。
戸塚区の地震リスクは「揺れやすさ・液状化・造成」を分けて見る
戸塚区の地震リスクを確認するときは、「揺れやすさ・液状化・造成」を個々に確認することが大切です。これらは関連しますが、同じものではありません。
地震の揺れやすさは地盤の種類や地形で変わる
大きな地震が発生した際、地面がどれくらい強く揺れるかは、地震そのものの規模(マグニチュード)だけでなく、地表付近にある表層地盤の種類によって変化します。低地によく見られる沖積層は、軟弱地盤であり、地震波が地表近くで増幅されて揺れが大きくなる傾向があります。
液状化リスクは揺れやすさと別に確認する
液状化とは、地震による強い揺れによって、地下水を含む砂質地盤などが一時的に液体のような状態になり、地盤の支持力が低下する現象です。
ここで注意したいのが、「揺れやすい場所=必ず液状化する場所」ではない点です。液状化リスクは揺れの強さだけでなく、地盤の構成(砂質土か)、地下水位の高さ、過去の土地利用履歴などが関係して発生します。
地震ハザードマップは何を確認すればいい?
地震ハザードマップを見る際は、以下の項目を順番に確認していきましょう。
1. 想定震度:地域ごとに予測されている最大の揺れの大きさ
2. 揺れやすさ(地盤増幅率):表層地盤による揺れの増幅リスク
3. 液状化可能性:地震発生時に液状化が起きやすいか
4. 建物倒壊危険度:地域の建物構造や密度に基づく危険度
5. 広域避難場所・避難経路:発災時に安全に退避できるルートの有無
横浜市戸塚区の防災情報では、浸水ハザードマップ、土砂災害ハザードマップが用意されています。ここまで解説した視点で、一度ハザードマップを確認してみてください。

戸塚区の盛土・造成地の確認方法
戸塚区には柏尾川だけでなく、境川、和泉川、宇田川、瀬川、阿久和川、舞岡川など多くの川が流れています。そのため、谷戸が形成され、複雑な丘陵地形を形成しているエリアがあります。
こうした丘陵地での住宅を検討する際は、切土や盛土といった土地の造成確認が必要です。
大規模盛土造成地とは?
大規模盛土造成地とは、宅地造成の過程で大規模に盛土された場所を指します。代表的なものに、谷や沢を埋めた「谷埋め型」と、傾斜地盤上に盛土した「腹付け型」があります。国の基準では、谷埋め型は盛土面積3,000㎡以上、腹付け型は原地盤の傾斜が20度以上で、かつ盛土の高さが5m以上などの条件があります。
横浜市の調査では、市内に3,271箇所の大規模盛土造成地が確認されています。ただし「大規模盛土造成地=地震で必ず崩れる危険な土地」ではありません。適切に締固めされ、水抜き穴などの排水設備が整っていれば安全に利用できます。
盛土だけでなく、切土も確認する
丘陵地の住宅開発では、山や斜面を削る切土と、谷などに土を入れる盛土を組み合わせて宅地を造成することがあります。
一般的に切土部分は元の硬い地盤が露出するため締まっていますが、1つの敷地内で「半分が切土で半分が盛土」というような地盤(跨ぎ地盤)になっている場合、不同沈下(建物の傾き)が起きやすくなります。
丘陵住宅地では擁壁・崖の状態も確認する
丘陵地の住宅では、道路と敷地、隣接地との間に高低差が見られるケースがあります。隣地との間に崖・高台がある物件では、土留めとなる擁壁(ようへき)の確認が必要です。
次の点を現地で確認することをおすすめします。
・擁壁に大きなひび割れがないか
・壁が膨らんでいないか
・水抜き穴などの排水設備があるか
・擁壁と崖の位置関係はどうなっているか
・擁壁の所有・管理者は誰か
・過去に補修した記録があるか
戸塚駅周辺と丘陵住宅地を比較するときのポイント
戸塚駅周辺と丘陵住宅地を比較するときは、生活の利便性と災害リスクのバランスを考慮することが大切です。
戸塚駅周辺は「平坦さ」だけで地盤を判断しない
戸塚駅周辺は、商業施設が充実しており平坦で歩きやすいという利便性があります。一方で、柏尾川の流域にあたるため、地形的には堆積層が厚い低地に分類されます。
「駅近で平坦だから地盤も安心」と思い込むのではなく、低地特有の浸水・液状化リスクをハザードマップで把握した上で、適切な建物構造や基礎補強を判断することが重要です。
丘陵住宅地は「坂が多い=危険」とは限らない
丘陵エリアの住宅街は、駅からの坂道や階段が多く移動に体力を要する場合があります。しかし、地形的には元々の地盤がしっかりしている高台や台地が多く含まれます。
自然地形としての安全性と、人工的な造成(盛土・擁壁)の安全性を個別に切り分けてリスクを確認しましょう。
住みやすさと災害リスクは別々に評価する
住宅選びでは、住みやすさと災害リスクを分けて考えると整理しやすくなります。
たとえば、駅に近く平坦な物件なら、利便性を確認したうえで低地の災害リスクを調べます。一方、坂の多い住宅地なら、眺望や静かな住環境などの条件とともに、擁壁や造成の履歴を確認する対策が考えられます。
「平坦だから良い」「丘陵だから悪い」という単純な比較ではなく、メリットと災害に関するチェックポイントを並べて判断することが大切です。
戸塚区で住宅を購入する前に確認したい資料と物件条件
戸塚区の住宅購入は、ハザードマップだけで判断せず、土地・建物に関する個別資料まで確認することが重要です。
住所をもとにハザードマップを確認する
最初に行いたいのは、検討している物件の住所を使った確認です。区全体の地図を見るだけではなく、物件所在地を拡大して地震マップ、液状化マップ、土砂災害ハザードマップ、洪水・内水ハザードマップ、防災拠点・避難場所を確認します。
地盤調査報告書・地盤改良の有無を確認する
不動産会社や建築会社などに、地盤調査報告書や地盤改良の有無を確認しましょう。SWS試験(スクリューウエイト貫入試験)などの調査結果や、地盤補強工事(表層改良、柱状改良、鋼管杭など)が実施されているか、建物の基礎形状(ベタ基礎、布基礎等)が土地の強度に適合しているかをチェックします。
造成履歴・切土・盛土を確認する
丘陵地の物件では、土地がどのように造成されたかが重要です。横浜市には大規模盛土造成地の状況調査図があります。
必要に応じて、
・大規模盛土造成地に該当するか
・造成前の土地がどのような地形だったか
・古地図・航空写真で土地の変化を確認
・不動産会社に造成履歴を確認
といった確認方法を組み合わせます。
擁壁がある物件は状態と管理状況を確認する
擁壁がある場合は、見た目だけではなく管理状況まで確認します。擁壁の所有者、築造時期、補修履歴、排水状況、必要な許可・確認の有無などを不動産会社や専門家に確認しましょう。
重要事項説明で災害リスクを確認する
購入を決める前には、重要事項説明書も確認します。
とくに、
・土砂災害警戒区域
・急傾斜地に関する指定
・その他の法令上の制限
・ハザードマップ上の位置
・土地・建物に関する制限
などを確認してください。
戸塚区の地盤についてよくある質問
ここでは、戸塚区の地盤についてよくある質問にお答えします。
戸塚区は地盤が強いですか?
戸塚区全体を「地盤が強い」と判断することはできません。低地や台地、丘陵地などさまざまな地形があるため、物件の住所をもとに地形、表層地盤、液状化、造成状況などを確認する必要があります。
戸塚駅周辺は地震で揺れやすいですか?
戸塚区内でも地形・表層地盤は異なります。「駅周辺だから安全」と判断しないことが大切です。
戸塚区の丘陵住宅地は地震に弱いですか?
丘陵地だから地震に弱いとは言えません。ただし、丘陵地では盛土・切土、擁壁、崖、排水など、住宅選びのポイントが多くあります。土地の造成履歴を調べると、より具体的に地震のリスクを判断できます。
大規模盛土造成地は危険ですか?
大規模盛土造成地に該当することだけで、その土地が危険だと判断することはできません。大規模盛土造成地は一定の基準によって抽出された場所であり、横浜市も調査図には誤差があることを説明しています。該当する場合は、造成履歴、擁壁、地盤、排水などを個別に確認しましょう。
まとめ|戸塚区の地盤は住所と地形をもとに確認しよう
戸塚区には低地、丘陵地・台地など、さまざまな地形があります。そのため、住宅の購入を検討する際は、ハザードマップを中心に、地震の揺れやすさや液状化リスクを確認しましょう。
・低地エリアでは「地震の揺れやすさ」と「液状化リスク」に重点を置いてチェックする
・丘陵エリアでは「切土・盛土の区分」や「擁壁・崖の状態」を重点的に確認する
・ハザードマップの閲覧だけでなく、過去の造成履歴や地盤調査報告書などの情報を取り寄せる
・最終的には現地に足を運び、擁壁の状態、坂の勾配や道路幅、避難ルートを自分の目で確かめる
利便性と防災のバランスを考慮しながら、安心して暮らせる住まいを見つけましょう。

参考文献
・横浜市戸塚区「地震ハザードマップ・液状化マップ」https://www.city.yokohama.lg.jp/totsuka/bosai_bohan/saigai/earthquake-map.html
・横浜市 「横浜市土砂災害ハザードマップ」https://www.city.yokohama.lg.jp/business/bunyabetsu/kenchiku/bosai/gake/hmap.html
・横浜市「大規模盛土造成地の状況調査について」https://www.city.yokohama.lg.jp/business/bunyabetsu/kenchiku/takuchi/youheki-morido/kihon/morido.html
・横浜市 「盛土規制法の手引」https://www.city.yokohama.lg.jp/business/bunyabetsu/kenchiku/takuchi/morido/moridotebiki.html






